May 1, 2020

新型コロナはアクティブ運用の支援要因になっている

新型コロナはアクティブ運用の支援要因になっている

新型コロナはアクティブ運用の支援要因になっている

パッシブ運用が増加しており、世界の多くの地域でその傾向が止んでいないことは、多くの関係者に周知の事実だ。フィーの高いアクティブ運用から安価なパッシブ(もしくはスマートベータ)運用へのシフトは、運用機関にとって収入成長の阻害要因であり、より多くの資産オーナー、管理機関による投資戦略全般にわたるフィー引下げの要望がさらにそれを加速させている。この証左の一つとして、ETFの増勢は止むことなく、短期間とは言え2019年に6兆ドルの大台を超えた。

弊社も顧客から「フィー引き下げのプレッシャーはいつ止むのか?」といつも聞かれるが、ほとんどのマーケットでまだ終息の兆しが見られない。逆に資産運用の価値を哲学として信じるアセットマネージャーでさえ、手数料コストの全体額を抑えるためにパッシブへの配分を増やすところも見ている。

アクティブ運用業界からの反応は、-注目すべき例外を除いてー全体的に抑制的で、多様化しており、いくつかのケースでは露骨に自己的なものだった。しかし公平に言うと、そのストーリーはパッシブのものよりも含意の深いものが多かった。パッシブマネージャーよりもアクティブマネージャーの数の方がはるかに多いため、一貫した影響力のあるレトリックを構築する意義は大きい。それでもストーリーの重要な足掛かりとなるのは、アクティブマネージャーは弱気相場の中でこそ輝くというもの。市場が下落する中でこそ、アクティブマネージャーの価値がはっきり試される。継続的な上昇相場の中では、誰がこうした議論に耳を傾けるだろうか。

上の図は、運用アドバイザーが発する非常にクリアなメッセージを伝えている。日本とイギリスを除いて(この地域ではパッシブに留まることに満足しているようだ)、運用アドバイザーはアクティブ運用の比率を明らかに増やそうとしている。特に、もともとどの地域よりもパッシブの割合が高いであろうアメリカでその傾向がどこよりも強い、同時にこの事実は、アクティブマネージャーにとって最も得るものが多い。

新型コロナの世界的な蔓延を望むものは誰もいない一方で、運用アドバイザーがこの傾向を続けることは、アクティブマネージャーの福音になるかもしれない。

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