May 8, 2020

危機の中でESGが頭角:環境・社会ファクターへの投資が加速

ESG(環境・社会・ガバナンス)投資への関心が資産オーナーの間でグローバルに高まっている。特に年金と保険セクターの間でESG投資へのアプローチが進んでいる。その一方で、銀行とリテール向け商品ではまだ結果が分かれている。その結果として、アセットマネージャーは彼らの属する運用機関全体で、ESGを彼らの投資プロセス、レポーティングに採り入れ、商品説明書にも盛り込みマーケティングに活用している。こうした動きを通してESGは注目すべきテーマとしてフォローされる結果となっているが、それでは新型コロナはESG投資に対してどのような影響を与えているだろうか?

今回の危機の中で、ESG関連ファンドがアウトパフォームしていることが広く伝えられており、一部のアセットマネージャーの間では、(多少は自分の領域への誘導も含むにせよ)ESG投資は今後も増加すると考えられている。こうした考えを資産オーナーにも納得させるだけの証拠が今は存在している。

今回のサーベイで資産オーナーとファンド配分担当者から回収されたフィードバックでは、新型コロナがESG投資の加速を促すというものが多かった。下のグラフで示されているように、今回の危機は今後2年間にESG投資を増加させるように働くという回答が多数を占めた。

この傾向は、まだESG投資で出遅れている銀行セクターも含めて全セクターで共通であり、ESGに慎重なアメリカを含めて全地域で同じ傾向が見られた。このセンチメントは、伝統的にESGに馴染みの深い地域やセグメントを超えて、ESG投資にとってきわめてポジティブな指標となっている。

なぜここまで極端な結果が出たのか?新型コロナがESGの背後の問題に対して、大きな影響を与えたからと考えられる。

  • 投資のセレクションにおいて、その相対パフォーマンスとリスク/リターン特性によってESGの優先度が向上、さらに危機の浸透によって、消費者、企業の社会・環境問題への意識が高まった。
  • 第二に、新型コロナ以前には環境・ガバナンス問題ほど意識されていなかった社会問題への関心が、パンデミックによって高まったこと(下のチャートを参照)。資産オーナーは彼らが投資する企業の傷病休暇、危険手当などヘルスケア問題を含めた労働問題について、より一層の透明性を求めるようになっている。

危機の到来は、時として潮流の重要性を再検証させる。ESG投資の採用に対して今後は加速の方向にあり、より環境に配慮し社会的責任に配慮した企業への資本フローと、環境・社会問題に対する政治スタンスがそれを後押しするだろう。

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