March 17, 2021

日本における料率改定の見通し – 2021年4月1日

日本における料率改定の見通し – 2021年4月1日

日本における料率改定の見通し – 2021年4月1日

関係者は、ほぼ合意

内容

日本における損害再保険業界では、自然災害のエクスポージャーの管理が決め手であり、毎年4月1日に最も重要な改定が実施されます。

2020年4月1日の改定では、CAT(大規模災害)商品の中でも特に風災関連のエクスポージャーに対する再保険料が大幅に上がりました。またその他ほとんどの保険種別においても、値上がりが見られました。

再保険会社は料率の更なる値上げの必要性について把握しており、再保険ブローカーも概ね同意しています。しかし再保険の価格上昇の根拠に直面する保険会社が、これに納得するかどうかは不明です。

NMGコンサルティングは現在、今年度の損害再保険グローバル調査を実施中です。日本の保険会社からの早期の回答により、再保険の購入者が2021年4月1日より前に見積もりを立てる手助けができると考えます。


再保険料の価格動向の見通し – 2021年4月1日

業界内の保険会社の意見をまとめると、貴重な参照ポイントが見えてきます。「賢明な多数派」の視点が、有効な統計指標を示すだろうということです。過去4週間に回答した保険会社の意見からは、2021年4月1日にリスク調整後の値上がりが再度実施される見込みが高いと考えられます。詳細は以下の通りです:

  • 保険会社の80%は、本年度の再保険料が上がると予測。(5から10%の範囲)
  • 再保険料の値上げを予測した保険会社は、「リスク調整後の値上げ」が全ての値上げの要因であると指摘。(ただし唯一無二ではない。基本ポートフォリオの成長や拡張補償の購入を要因として挙げている保険会社もある)
  • ソフト化を予測する保険会社はほとんど見られない。全体的に見て、更なるハード化の予測は少なくとも2021年4月1日に向けて、一年前と同じくらい手堅い。(2019年および2018年度とは大きく異なる)

保険会社がおそらく不本意ながら下した見解ですが、全ての利害関係者は再保険料率が2021年4月1日に更にハード化するという点に合意していると言えるでしょう。


表1 – 再保険料の見通し (保険会社)

Source: NMG Consulting – P&C Reinsurance Study 2021


追悼

東京はもちろん、日本のみならず全世界に衝撃を与えた福島の大惨事から、先週で10年が経ちました。保険業界の重要性、そして時の流れの速さが強く想い起こされます。


Related Knowledge

Scroll to Top